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信陽堂から新しい本「夏みかんの午後」が発売となりました。

 

夏みかんの午後 永井宏

発行 信陽堂

ISBN978-4-910387-06-2 C0095    新書変形判(177mm×117mm)・上製176ページ

 

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海辺の町を舞台に

「自分の時間を生きる」人たちを描いたすがすがしい小説です。

美術作家であり、エッセイや詩を数多く残した永井宏さんは、数編の愛すべき小説も残していました。

本書は2001年にサンライト・ラボから出版されて以来、静かに読まれ続けてきた作品の復刊です。

主人公は何かが始まる予感を胸に、東京を離れ海辺の町、葉山で暮らしはじめたばかりのフードスタイリスト、志田エリ31歳。

郊外と都市、小さくもの作りしながら過ごす時間と消費するだけの生活・・・・・

自分たちの価値観に基づいて浜辺の町に暮らす人々と出会う中で新しい生き方を見つけてゆく、時代を超えてこころに響く佳作です。

◎永井宏(ながい・ひろし)

美術作家。1951年東京生まれ。1970年なかごろより写真、ビデオ、ドローイング、インスタレーションなどによる作品を発表。80年代は『BRUTUS』(マガジンハウス)などの編集に関わりながら作品を発表した。1992年、神奈川県の海辺の町に転居。92年から96年、葉山で生活に根ざしたアートを提唱する「サンライト・ギャラリー」を運営。99年には「サンライト・ラボ」を設立し雑誌「12 water stories magazine」を創刊(9号まで刊行)、2003年には「WINDCHIME BOOKS」を立ち上げ、詩集やエッセイ集を出版した。自分でも旺盛な創作をする一方で、各地でポエトリーリーディングの会やワークショップを開催、「誰にでも表現はできる」とたくさんの人を励まし続けた。ワークショップからはいくつものフリーペーパーや雑誌が生まれ、詩人、作家、写真家、フラワーアーティスト、音楽家、自らの表現としての珈琲焙煎、古書店、雑貨店やカフェ、ギャラリーをはじめる人などが永井さんのもとから巣立ち、いまもさまざまな実験を続けている。

2011年4月12日に永眠、59歳だった。

2019年、『永井宏 散文集 サンライト』(夏葉社)、復刻版『マーキュリー・シティ』(ミルブックス)、2020年『愉快のしるし』(信陽堂)が相次いで刊行され、リアルタイムでの活動を知らない新しい読者を獲得している。

 

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以下、出版社からのコメント

この本は信陽堂からの『愉快のしるし』『雲ができるまで』に続く、

永井宏さんの三冊目の本になります。今回はエッセイではなく、小説集です。

執筆から20数年の時を経てなおこころに響く佳作です。

紙をはじめとする出版をめぐる諸物価の高騰はなかなか厳しいものがあり、それはデザインや装幀をはじめとした書籍の多様性が損なわれつつある状況でした。

そのような中ではありますが、信陽堂としては1冊1冊の内容はもちろん、本の姿としてもいつまでも愛読いただけるような本を作り続けてゆきたいと思っています。

今回も表紙のタイトル、著者名は日光堂さんによる活版印刷を採用しています。書籍のカバー、表紙など大判を活版で刷れる数少ない印刷所の仕事です。独特の質感を感じていただけましたら幸いです。

 

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