感性の換気
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お店を休んで旅に出ると、「いいですね」と言っていただくことがあります。
もちろん、楽しみな気持ちはあります。
でも、僕にとって旅は「息抜き」という言葉だけでは少し足りません。
もっと大切にしているものがあります。
それは、「感性の換気」です。
家の窓を開けるように、ときどき自分の感性にも外の空気を入れたい。
そんな感覚です。
普段から、本を読んだり、映画を観たり、岡山や高松へ出かけたりしています。
SNSでは、尊敬している人たちの考えに触れることもできます。
今は、自宅にいながら多くの情報に出会える時代です。
でも、その多くは、自分が選んだものだったり、自分に合いそうなものだったりします。
便利になればなるほど、自分の世界は深くなる一方で、意外と広がりにくいのかもしれません。
だから、ときどき外へ出ます。
旅先の喫茶店。
ホテルの接客。
街を歩く人たち。
何気ない会話。
自分とは違う空気の中に身を置いてみる。
その中には、「なるほど」と思うこともあれば、「自分はやっぱり今のままでいいな」と感じることもあります。
どちらも大切な発見です。
一緒に働いてくれているアルバイトさんたちは、僕よりずっと若い世代です。
何気ない会話の中で、「そんな考え方があるんだ」と気づかされることが何度もあります。
今は妻と二人でお店を切り盛りする時間が増えました。
落ち着いて仕事ができる反面、自分たちの考えだけで毎日が過ぎていくこともあります。
それは安心でもありますが、知らないうちに「これが正解」と思い込んでしまう怖さもあるように感じています。
だから、意識して外の空気に触れます。
僕が目指したいのは、いろいろな考え方を受け入れられる人です。
でも、自分の好きなものや、自分らしいスタイルはちゃんと持っていたい。
そして、それを誰かに押しつけるのではなく、「僕はこう思っています」と静かに差し出せる人でありたい。
アカイトコーヒーも、そんなお店でありたいと思っています。
感性の換気は、旅だけではありません。
散歩でもいい。
映画でもいい。
本でもいい。
誰かとの会話でもいい。
大切なのは、自分の世界に少しだけ新しい風を通すこと。
そんな時間を、これからも大事にしていきたいと思っています。