アカイトコーヒー は瀬戸内海の小さな島『直島』で朝7時から営業している早起きなお店です。

お店を休んで旅に出ると、「いいですね」と言っていただくことがあります。

 

もちろん、楽しみな気持ちはあります。

でも、僕にとって旅は「息抜き」という言葉だけでは少し足りません。

もっと大切にしているものがあります。

 

それは、「感性の換気」です。

 

家の窓を開けるように、ときどき自分の感性にも外の空気を入れたい。

そんな感覚です。

 

普段から、本を読んだり、映画を観たり、岡山や高松へ出かけたりしています。

SNSでは、尊敬している人たちの考えに触れることもできます。

今は、自宅にいながら多くの情報に出会える時代です。

でも、その多くは、自分が選んだものだったり、自分に合いそうなものだったりします。

便利になればなるほど、自分の世界は深くなる一方で、意外と広がりにくいのかもしれません。

 

だから、ときどき外へ出ます。

 

旅先の喫茶店。

ホテルの接客。

街を歩く人たち。

何気ない会話。

 

自分とは違う空気の中に身を置いてみる。

その中には、「なるほど」と思うこともあれば、「自分はやっぱり今のままでいいな」と感じることもあります。

どちらも大切な発見です。

 

一緒に働いてくれているアルバイトさんたちは、僕よりずっと若い世代です。

何気ない会話の中で、「そんな考え方があるんだ」と気づかされることが何度もあります。

 

今は妻と二人でお店を切り盛りする時間が増えました。

落ち着いて仕事ができる反面、自分たちの考えだけで毎日が過ぎていくこともあります。

それは安心でもありますが、知らないうちに「これが正解」と思い込んでしまう怖さもあるように感じています。

だから、意識して外の空気に触れます。

 

僕が目指したいのは、いろいろな考え方を受け入れられる人です。

でも、自分の好きなものや、自分らしいスタイルはちゃんと持っていたい。

そして、それを誰かに押しつけるのではなく、「僕はこう思っています」と静かに差し出せる人でありたい。

 

アカイトコーヒーも、そんなお店でありたいと思っています。

 

感性の換気は、旅だけではありません。

 

散歩でもいい。

映画でもいい。

本でもいい。

誰かとの会話でもいい。

 

大切なのは、自分の世界に少しだけ新しい風を通すこと。

 

そんな時間を、これからも大事にしていきたいと思っています。