「えっ?」と「えっ!」
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先日、直島でお店を営む友人がコーヒーを飲みに来てくれました。
他愛もない会話をしていると、ふと彼が言いました。
「僕、スペシャルティコーヒーって飲んだことないんですよ。」
「いま飲んでるやん。」
そう返すと、
「えっ?」
少し間を置いて、
「えっ!」
二人で笑ってしまいました。
そのあとも普通に会話は続いたのですが、あの短いやり取りが、なぜか頭に残っています。
コーヒーの世界には、いろいろな言葉があります。
産地、精製方法、品種、焙煎度。
そして、「スペシャルティコーヒー」という言葉も、その一つです。
でも、お店を始めてからずっと思っていることがあります。
コーヒーは、知らなくても美味しい。
知っていると、また違う楽しさがある。
その順番が好きです。
「これはスペシャルティコーヒーです。」
そう言われて飲む一杯もいいけれど、
「美味しかった。」
そのあとで、「そうだったんですね。」と知る一杯も、わるくありません。
名前より先に、味や時間が残る。
そんなコーヒーでありたいと思っています。
なので、これからも「スペシャルティコーヒーです」と、あまり前に出して言うことはないと思います。
でも、もしお店でそんな会話になったら、
「いま飲んでるやん。」
と、僕はまた言うかもしれません。
そしてきっと、あの時のように「えっ?」となるような気がしています。