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コーヒーの起源のひとつとされるエチオピア・カッファ地方。
その深い森の中には、今もなお人の手と自然がゆるやかに関わり合いながら、コーヒーが育つ風景が広がっています。
今回ご紹介するのは、ボンガのウィシュウィシュ村周辺で育てられたコーヒーです。
カッファ地方は、アラビカコーヒーのルーツのひとつとされる場所です。
エチオピアのコーヒー生産は一様ではなく、地域ごとにさまざまな栽培のかたちがあります。
その中でカッファのコーヒーは、広い森の中に点在するコーヒーの木々が、周囲の多様な植物と共に時間をかけて育まれていることが特徴のひとつです。
いくつもの樹木がつくる濃いシェード。
水分をたっぷりと含んだ土壌。
コケや藻類がついたコーヒーの木。
そうした環境の中で育つコーヒーは、単なる栽培作物というよりも、森の一部として長い時間をかけて関わり続けてきた存在のようにも感じられます。
ウィシュウィシュ村の近くには、マンキラという小さな村があります。
そこには「すべてのコーヒーのはじまりの木」として、村人たちに大切に語り継がれてきた原木があるといわれています。
それがどこまで史実に基づくものかは分かりません。
けれど、そうした物語が今も土地の記憶として残っていることに、カッファとコーヒーの長い関わりを感じることができます。
このコーヒーの生産者は、タミル・ギザウさんです。
タミルさんは、コーヒー農園を営む家に生まれ、幼い頃から自然とコーヒーの木に囲まれて育ちました。
その後は医療関係の専門職としてキャリアを積んできましたが、数年前から両親の農園を手伝いはじめ、現在は農園主としてコーヒーづくりに携わっています。
コーヒーは、約200haほどの広さを持つ森の中で育てられています。
さまざまな植物がつくるシェードの下で、森林の養分を受けながら、ゆっくりと実をつけていきます。
収穫期になると、完熟したチェリーはすべて手摘みで収穫されます。
その後、未熟豆や過熟豆を丁寧に取り除き、パルパーにかけて果肉を除去。
発酵槽で約1日発酵させたあと、ミューシレージを取り除き、きれいに洗浄されたパーチメントはアフリカンベッドに広げられます。
乾燥には、14〜16日ほどの時間がかけられます。
その間、攪拌を繰り返しながら、ゆっくりと水分を抜いていきます。
森の中で育ったコーヒーが、手作業と丁寧な精選を経て、一杯のコーヒーへとつながっていく。
その過程には、土地の物語だけでなく、作り手の技術と日々の積み重ねがあります。
味わいは、ジャスミンを思わせる華やかな香りと、シトラスや白桃のようなやわらかな果実感。
後味にはブラックティーのような上品な印象もあります。
アカイトコーヒーでは、このエチオピアを中煎りと深煎りでご用意します。
中煎りでは、シトラスを思わせる明るい酸味と、白桃のようなやわらかな甘さが感じられます。
華やかさはありながらも、全体のバランスがよく、上品な余韻を楽しめる焙煎度です。
深煎りでは、濃いめに抽出した紅茶のような落ち着いた味わいに。
ほろ苦さの中に、ダークチェリーを思わせる甘みと、ほのかな華やかさが残ります。
華やかな香りと、やわらかな果実感。
そして、口の中に静かに残る透明感のある余韻。
コーヒーのルーツに思いを馳せながら、日常の中で楽しんでいただきたいエチオピアです。
※この記事は、生豆仕入先の公開情報を参考に、アカイトコーヒーで編集しています。